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国立新美術館The Spirit of an Era「具体」


The Spirit of an Era「具体」。 国立新美術館で9月10日まで開催している企画展に行ってきました。東京では初の開催。

大学時代、この芸術グループを知り、自分にとって岡本太郎と同じくらい刺激を受けた存在でした。 具体美術協会(具体)は、1954年、吉原治良をリーダーに関西在住の若い美術家たちで結成された前衛美術グループ。

『われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示したい』

「人のまねをするな」、「これまでになかったものをつくれ」という吉原治良の指示のもと、 今ではよくある表現の形が当時、奇想天外な表現として打ち出されていました。 音楽という表現の素晴らしさに気づき、自分の表現の方法を模索していた当時の僕にとって、 すべてが新鮮で、自分の中に鮮やかに飛び込んできました。 当時の高度成長期の日本において、こんなにもエネルギーあふれる創作やチャレンジ精神の表出。 思いついたことを恐れずにまずはやってみる、 人とは違うことをしっかりと研究して自分の考えていることを形にする、 そんなことをやりたいと思っていた自分の背中を押してくれました。 人は目に見えないものを信じない。 それは、具体が活動していた1954年頃も現代も変わっていないと思う。 その目では見えないものを、抽象的でもいいから可視化させる。 それが人類にとって必要なことだというのが具体のメッセージ。 僕はその形を表現するのに、やはり「音楽」が必要だと思ったんです。 だから、「音楽」でその場所や感じたことを形にすることを続けてきたんだなと、今回の展示を見て改めて感じました。 すべて自分事。 自分で感じ、見えたものこそが形になる。 「具体」のあった時代に生きていたら、必死にこのグループで「音楽」の必要性を追求していたと思う。

今、僕がやっている「そらまつり」もそのひとつだと感じている。 人が集まり、様々な考えが次の形を生み出す。 この「そらまつり」で今までやっていなかった形をもっと挑戦していきたいんです。 6年間続けているけど、まだまだです。 新しいアイデアがあふれ出てきています。 いつも「具体」は僕に刺激をくれていますね。

みなさん、開催期間は残りわずかですが、自分の目で見てきてほしいです。 作品の説明はここではしません。 新しい刺激を受け取りにいくことは、生きることに必要なこと。 過去を知り、新しいことをやるために、今を生きるぞ~ と感じた昼下がりでした。

2012.9.7 丸山茂樹

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